なんでも屋 神…第二幕
「元々無かった物だ…そう思えば、腹も痛まんか。何より、今のお前の姿が父親とだぶって見えたのが嬉しかった。神よ、一つだけ聞かせてくれ。」



遠き日の思い出に浸るよう、目はきっちりと閉じているが、神堂は数秒間天井を見つめ続けた…。



「お前も、全ての薬物をこの世から消す事は無理じゃと思うじゃろ。これからしようとしているその行為は、単なる偽善だとは思わんか?」




確かに神堂の言う通り…数百種に及ぶ薬物を全て取り除くのは不可能で、その行為は偽善以外の何者でも無い…。



「そうですね…。ですが、クラブドラッグに関しては、友人からの依頼でも有ります。見えない所は黙認していると言われても仕方無いですが、それでも目の前で堕ちていく人が居たなら、俺は手を差し伸べたい。以前に依頼者から、別れ際にそう在ってくれと言われました。」



…私のように困っている人が居たら助けてあげて下さい。



羽尾からのドメスティックバイオレンスを訴えてきた、ミチルから別れ際に言われた最後の言葉。



あれから俺の中で、確実に何かが変わっていったんだ…。
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