なんでも屋 神…第二幕
「だから、親父と何の話しをしてたんだって!おい、聞いてんのか神?」



赤城等子飼いとは落ち合った場所で別れ、商用車で込み合っている道路を、縫うように車を走らせているノリの再三に渡る問いかけにも、俺は全く答えずに過ぎ行く街路樹を眺めていた。



「この距離で聞こえてない訳無いよな?おいっ…。」



俺が直接神堂と何を話したのか、何か明日の事で変化点が有ったのかを聞き出したいノリは、窓ガラスに映る俺の瞳を見て口を閉ざした。



元々ノリには関係の無い話ししかしていない。



そう、ノリにとっては…俺にとっては、衝撃と動揺を与えるには十分だったが…。



父親の生存を知って無性に会いたくなった?



遊んで貰えなかった幼少期の思い出を取り戻したい?



…そんな事はどうでも良いし会いたくも無い。



では何故…。
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