なんでも屋 神…第二幕
己への矛盾さを棚に上げ、何故真美の葬式にぐらい顔を出してくれなかったのか…。



自分の娘だろう!



いや、其れを言えば、最愛の妹を自分の行ってきた愚かな所行の所為で亡くし、その現実を受け止めきれずに参列しなかった俺も同類…。



父親と己を許した訳では無いが、もう考えるのは止めようと思った。



…俺が幾ら頭を悩ませても、答えなど俺の知る所では無い。



窓ガラスに映っている緋色の瞳から火を消し、背景となっていた街路樹の、薄緑の葉から目を逸らした。



「…何か有ったのか神?何なら、明日じゃ無くても良いんじゃ…。」



今は明日の事…仕事に頭を切り替えよう。



これ以上、クラブドラッグの被害者を生み出す訳にはいかない。
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