なんでも屋 神…第二幕
第十四章
「よう、待ったか?」



時刻は早朝の四時半。近隣の家は未だ寝静まっていて、歩く音さえ気を付けなければならないような静寂が辺りを包む。



家の前でハザードランプを点けたタクシーの窓から、寝ぼけ眼のノリが顔を出しながら話しかけてくる。



「いや、時間通りだ。」


夏前と言っても、季節は春から梅雨への移り変わり時期。



東の空には、朝日の頂上一部分しか顔を出していない。



ヘッドライトを点けて走り出したタクシーは、街が目覚める前の薄暗い道路を、順調に進んでいく。
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