なんでも屋 神…第二幕
「な、何だよ突然。そりゃ…。」



珍しく口籠もるノリ。俄に俺の悪戯心が騒ぎ出し、今俺の瞳は間違い無くいやらしい弧を描いているだろう。



「ほれほれどうした〜?ん〜?ノリは兄ぃ一筋だと思ってたがなぁ。」



見る見る内に、隣では立派な蛸が茹で上がった。前を見ると、事情を知らない運転手さえ、バックミラー越しに此方をちらちら見てくる。



「ば、馬鹿野郎!勿論兄貴一筋に決まってんじゃねーか!…ただ、ちょっと…。」



此処に面白い生き物発見。



きっと一葉も居たら、ノリはその小さな身体を更にコンパクトに折り畳むだろう。
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