なんでも屋 神…第二幕
禍々しい雰囲気を携えた男は、迷う事無く闇の住人。



比べれば、ノリでさえ小さく見えてしまう…。



現に、幅の狭い廊下の先で銃口を突きつけられながらも、怯んだ様子は一切見えず、楽しんでいるようにも見える。



牽制の一発…サイレンサー独特の空気が漏れるような風切り音。



男の爪先の先、抉れる廊下に細かく飛び散る木片。



それでも不適な笑みを崩さない男は、その巨躯からは想像がつかない程の早さで突進してくる。



構わずチェンバーを引き、人差し指の先端に力を込める。



敵意剥き出しの男に、これ以上の情けは掛けられない。



もう一度引き金を引いた時、アーミーナイフを持っていた右手が力無く下がり、刃先が廊下に突き刺さった。
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