なんでも屋 神…第二幕
「お前が作り出した秘薬だ。責任を持って飲み込め。それが、若い奴等の希望の光を眩ませた償いだ。」



乾いた砂を手で持った時のように、喉の奥まで丸見えとなった日向の口元に少量ずつ落としていく。



頭を左右に振って逃れようとする日向だが、己の汚れた手で作り出した悪魔の錠剤は、この地下室に山程有る。



口の中に入ったクラブドラッグを、必死に吐き出そうと舌で藻掻くが、酸素を欲している体内機能はリンクしない。



また、顎が外されている為に、上手く吐き出す事も出来ない。



若い奴等を虜にしたクラブドラッグ…その依存性の高さは、自身が良く分かっているだろう。



深い懺悔の念を抱き、闇に堕ちていくがいい…。



落とした錠剤は日向の首もとから頭までを包み込み、胃に送り込まれたクラブドラッグと共に、死神が賛美歌を唄っているかのようだった。
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