なんでも屋 神…第二幕
「…待て。金城のガラ(身柄)はこっちが預かる予定だろう。」



一時停止状態から解き放たれた萩は、口角に白泡を張り付け、唾を飛散させながら吠えてくる。



だがもう遅い…引き金に添えた人差し指は、徐々にだが確実に力が籠もっていく。



…因果応報…悪因悪化。



「俺には何の事か分からんが、約束を反故にした場合は親父も約束を守らないそうだ。」



兄ぃを撃たれた事…[cross]の名を汚された事…それだけでも怒りは頂点に達していた。



そして今度は、俺を庇ってノリが撃たれた。



最早心中は闇が占領している。そして足下で苦しむノリを見ると、一つ一つの火種が凝縮され、荒々しく猛々しい漆黒の業火と成る。
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