なんでも屋 神…第二幕
静かに跨っていたマジェスティから下り、一番手前で一際威圧的な視線を投げ掛けてくる若者に向かって歩き出した。



「ちょっと〜、行こうって言ってるのに〜!」



減なりとした様子で後ろを付いてくる一葉の言葉を気にも止めず、黙々と少年に向かって歩を進める。



俺が目前まで行くと、日サロでどす黒くした肌に、Yシャツをはだけてフェザーのネックレスを身に付けている、その少年も立ち上がった。



「渡瀬一葉とアンタの関係は?まさかこの俺を前にして、彼氏ですとは言わないよな?」



汚らしく下卑た笑みを浮かべる少年に同調し、周りにいる5人も一斉にくぐもった笑い声を漏らす。



良いな…このぐらいの頃は、怖いもんなどあってないようなものだ。
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