なんでも屋 神…第二幕
彼氏と言う言葉にいち早く反応を示したのは一葉。俺の背中に肘打ちで無言の圧力を掛けてくる。


今一つ、一葉を彼女と宣言するのに躊躇いが生じている…ピンと来ない等では無く、ただ気恥ずかしいだけ。



「俺が怒る前にさっさと…。」



眼前でヤニ臭い口を開いた茶髪に、間髪を入れず右手で鎖骨の窪みに親指を押し込んだ。



「で?何だっけ?良く聞こえなかったから、もう一回言ってくれるかな?」



思わぬ苦痛に緩んでいた顔を引き吊らせる茶髪。端っから、一葉を連れて喧嘩をする気は無い。
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