なんでも屋 神…第二幕
メインへ戻る途中、甲高いがくぐもった車のクラクションが、夜気を帯び始めた夜空に木霊した。


「探したんだぞ神!…わりぃな、デート中だったのか。」



聞き慣れた声に振り返れば、左ハンドルのエスカレードの窓を全開にし、肩筋のシャツを靡かせながら、車から身を乗り出した奏が居た。



「奏か。どうした?」



気まずそうに一葉を一瞥した奏は、突然センターコンソール部から、小さな紙包みを俺に手渡してきた。



「成る可く急いで欲しいんだけど、俺の所に顔出してくれないか?」
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