赤い愉楽
「あ、そうだ。言い忘れていました」
奥田は唇を歪め
憎悪しか感じられない笑いを怜奈に向ける。
「あなたの旦那さんの最期を
報告するのを忘れていましたよ。
もうすぐ会えるから
もういいと言えばいいんですがね」
その言葉に反応した怜奈が
戒めを引きちぎろうと暴れた。
しかし戒めはほどけることもなく
怜奈の自由を奪い続ける。
怜奈の涙が
床にこぼれおちる。
「弾丸の一発目は足を撃ったんですよ。
ふふふ…
これ以上ないぐらいの
苦悶の表情を浮かべてましたね…」
怜奈の噛みしめた唇から
血が一滴流れて行く。
「私を裏切ろうとするから
こういう目に会うんですよ。
大人しく私の口座を管理しておけば良い物を
せっせと裏金は作るは
証拠を集めて警察に自首しようとするは…」
奥田はにっこり笑って
怜奈を見つめる。
「裏金のことを何か知っているかと思って
1億円を持ってあなたを訪ねたのですが
何も知らないご様子で
安心しました」