茜ヶ久保マリネの若気の至り
剣腕はなくとも、海刀神は術者の意思によって自在にその刃を閃かせる。

それが海刀神が武器ではなく魔法である所以だ。

魔法ならば術者の意思に従って当然。

剣術の心得がなくとも操れるのは尚更だ。

ましてやこの魔刀は、魔力によって海そのものを刃に具現化させたもの。

海の魔物である人魚との相性は抜群なのだ。

…海刀神を振るう度に水飛沫が飛び散る。

同時に周囲に撒き散らされるサハギン達の血液、そして臓物。

長い黒髪を翻らせて舞うように斬る私の戦いぶりに、所詮雑魚でしかないサハギン達は抗するべくもなかった。

< 12 / 101 >

この作品をシェア

pagetop