茜ヶ久保マリネの若気の至り
「いいかいマリネ」
頭角を肩に担ぎ、彼は私を見据える。
「僕は疑われるのは嫌いだ。謂れなき嫌疑をかけられて面倒に巻き込まれるのもね。もう一度言う。サハギンをけしかけたのは僕じゃない」
「だったら誰があの侮蔑すべき雑魚どもを操って、私達人魚の住処にちょっかい出しているっていうの?」
飛び散った破片が所々体をかすめていった。
肌に残るかすり傷を軽く指でなぞりながら、私はユラリと海刀神を構える。
「あんたも一端の海竜の王でしょ?小賢しい自分の策くらい、男らしく認めなさいな」
「……」
ギシリと。
軋む音をさせて、リヴァイアサンは頭角の尖端を私に向ける。
「僕は二度も警告した。聞き入れなかったのはそちらだ」
頭角の切っ先から根元まで、撫で上げるように指を滑らせた後、彼は両手持ちに構えを変えた。
「最早人魚族を根絶やしにしたとしても、責められる謂れはない」
頭角を肩に担ぎ、彼は私を見据える。
「僕は疑われるのは嫌いだ。謂れなき嫌疑をかけられて面倒に巻き込まれるのもね。もう一度言う。サハギンをけしかけたのは僕じゃない」
「だったら誰があの侮蔑すべき雑魚どもを操って、私達人魚の住処にちょっかい出しているっていうの?」
飛び散った破片が所々体をかすめていった。
肌に残るかすり傷を軽く指でなぞりながら、私はユラリと海刀神を構える。
「あんたも一端の海竜の王でしょ?小賢しい自分の策くらい、男らしく認めなさいな」
「……」
ギシリと。
軋む音をさせて、リヴァイアサンは頭角の尖端を私に向ける。
「僕は二度も警告した。聞き入れなかったのはそちらだ」
頭角の切っ先から根元まで、撫で上げるように指を滑らせた後、彼は両手持ちに構えを変えた。
「最早人魚族を根絶やしにしたとしても、責められる謂れはない」