茜ヶ久保マリネの若気の至り
私はひと呼吸置いて刀を構える。

私の魔刀・海刀神とて、魔力によって顕現した『魔法』だ。

召喚された下位精霊など、その刃で相殺するのは容易い。

そして。

「その隙に私の身に打ち込むつもりなんでしょう?」

素早い剣捌きで水竜を斬り散らした私は、更に剣速を上げて肉薄してくるリヴァイアサンの喉元にその刃を押し付ける!

柔らかな肉の感触。

そしてその肉に、切れ味鋭い刃が滑らかに食い込む感触。

やがて思い出したかのように少し遅れて。

「……!」

リヴァイアサンの喉元から鮮血が迸った!

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