茜ヶ久保マリネの若気の至り
飛び散る血飛沫。

牢獄に響く悲鳴。

それはどちらも。

「…え?」

私ではなく、サハギンのものだった。

私の肌に牙を突き立てようとしたサハギンの口内に水竜が侵入、そのままサハギンの頭を貫通していたのだ。

そのサハギンだけではない。

「ぎゃあぁああ!」

「何だこいつぁ!?」

どこからともなく出現した、蛇ほどの大きさの水の竜が、次々とサハギン達に襲い掛かる!

ある者は牙を立て、ある者は巻き付いて緊縛し、ある者は体内に侵入して臓物をめちゃくちゃに破壊する。

いずれにせよ凶暴極まりないやり方で、水の竜はこの場にいた全てのサハギン達を絶命へと追いやっていった。

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