茜ヶ久保マリネの若気の至り
突然の助け舟に呆然とする。

そんな私の両手を拘束する鎖が、水の竜によって引き千切られた。

同時に体内を巡る魔力の感覚。

どうやら鎖の拘束を解かれた事で、再び魔法が行使できるようになったらしい。

しかし…。

私は転移魔法で自分の服を手元に出現させ、それを纏いながら水の竜達を見る。

この竜は水の下位精霊。

そしてこの下位精霊を召喚して戦う男を、私は知っている。

ましてや無詠唱で精霊を召喚できるのはアイツだけだ。

「どういう風の吹き回しかしら?私を助けに来るなんて」

背後に向かって呼びかけると。

「なに…」

白いスーツの優男が岩陰から姿を現す。

「君の仲間の人魚達に懇願されてね…」

それは言うまでもなく、リヴァイアサンだった。

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