茜ヶ久保マリネの若気の至り
雷は古来より『神の怒り』とも称される。

それほどに強力な自然現象。

とりわけ海の魔物に対して電撃は効果的である。

クラーケンの巨体を包み込むように、蒼白い光が走る!

苦しげに呻くクラーケン。

自慢の粘液も、完全に雷の威力を殺すには至らなかったようだ。

「いけるわリヴァイアサン、とどめを!」

「ああ」

ゴォッと。

私まで体を持っていかれそうなほどの大量の空気を吸い込み、もう一度雷のブレスを吐き出そうとするリヴァイアサン。

先程のよりも強烈な一撃なのは想像がついた。

これで決まる!

そう思った矢先。

「……!?」

私は先程まで海上をうねっていたクラーケンの尾が、姿を見せなくなった事に気づく。

まさか…!

海中に視線を移す。

濃い魚影のように、水中を高速で蠢く影!

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