貴方が好きなの

「あたし、空と別れたの……」


冬夜が遠く見えなくなったあたりまでくると、愛美は重く、口を開いた。


「いきなり、なんで?」


愛美と上田は別れるような雰囲気じゃなかった。


少なくとも最近は。


それに、愛美が付き合った中で一番長く一緒にいる。



「分からないの。……好きなのか、なんで付き合ってたのか。もう何もかもが分からなかったの!」


愛美は泣き出しそうになった顔を下に向けた。






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