貴方が好きなの

「「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ」」


肩で息をする私とマナ。


「ま、間に合ったね……」


「…うん」


全速力で走った。


それに比べ、冬夜は涼しい顔をしている。


「気を付けて帰れよー」


「「「はーい」」」


校門前に立つ藤本先生にさよならを言う。



「冬夜、あのさ、私、今日愛美を家まで送ろうと思ってるんだけど………。先に帰っててくれる?」


「いいけど………。あの公園にいるよ」


あの公園って私たちの家の前にある公園のこと。


「いや、悪いからいいよ。ホント、先帰ってて」


「………わかった」


「冬夜くん、ごめんね。藍を借ります」


ペコっと頭を下げた。






< 151 / 167 >

この作品をシェア

pagetop