貴方が好きなの
「「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ」」
肩で息をする私とマナ。
「ま、間に合ったね……」
「…うん」
全速力で走った。
それに比べ、冬夜は涼しい顔をしている。
「気を付けて帰れよー」
「「「はーい」」」
校門前に立つ藤本先生にさよならを言う。
「冬夜、あのさ、私、今日愛美を家まで送ろうと思ってるんだけど………。先に帰っててくれる?」
「いいけど………。あの公園にいるよ」
あの公園って私たちの家の前にある公園のこと。
「いや、悪いからいいよ。ホント、先帰ってて」
「………わかった」
「冬夜くん、ごめんね。藍を借ります」
ペコっと頭を下げた。