記憶 ―惑星の黙示録―


「…じゃなきゃ、おかしいじゃない?リュウさんには、いくらでも阻止出来たんでしょ?」

運命を正す者、なんだから。
私はそう首を傾げた。


「…敵わねぇな…奈央ちゃんには。あぁ、そうだよ!」

リュウさんは、アランの頭をグリグリと撫でていた。


「さぁ、アラン!奈央ちゃんは帰るってよ?お前さんも腹くくったか?」

アランは急に真剣な顔を私たちに見せる。
それは、視線の先のリュウさんも同じだった。


「お前さんは昔の大事な仲間が幸せになれたか、が気掛かりだった。自分が過去についた嘘で皆を苦しめたから…。だから皆をあの池で見てた。しかし、次第に池に囚われていった…」

そうだろう?
とリュウさんはアランを見つめていた。


「…キースとハルカは、ちゃんと…逢えた?」

「あぁ、ハルカちゃんとコンちゃんは無事送り届けた。あの七色の花畑で、再会を果たしたよ。転生したキース君とな?」

そう…、
会えたんだね。

まるで自分の事の様に、私からも笑顔が溢れる。


「…そう。そっか…!」


やっぱり、
あの池で見た映像は、
全て本当の事。

アランが見守ってきた昔の仲間たち…


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