記憶 ―惑星の黙示録―


「…皆、幸せに向かって踏み出した。次はお前さんの番だろう?」

そう問うリュウさんに、


「あぁ…、そうだな。もう…良いのかもしれない。」

アランは少し戸惑いながらも、
晴れ晴れと笑っていた。

それは先程までの「どこか悲しい笑顔」ではなくて、

きっと、
本当の笑顔だった。



人は時に立ち止まり、
過去を振り返り後悔に苦しむ。

出逢いと別れを繰り返し、

それでも…

未だ見ぬ世界に不安を覚えながらも、前に進む。


その「心」は…

時に
迷いながら、
寄り道しながら。

ゆっくりと…
時間を掛けて、

決して無理はせず。


いつの日か、
『完全』となる為に…――



< 203 / 262 >

この作品をシェア

pagetop