─Quality of love─

実花のマンションのインターホンを鳴らすと、しばらくして微笑む実花が扉から姿を現した。

「どうぞ、中はいって」

軽く会釈をして言われるがままに中に入る。

一人暮らしの実花は派手な装いで、親が資産家ということを利用して結構好き勝手にやっているらしい。

ある意味野放しで育てられた面では俺と似ているかもしれない。

どうやら実花も同じ匂いとやらに気付いたらしく何かと俺にかまってくる。


物の少ないシンプルな部屋のわりに、置いているものは高級家具ばかり。


「紅茶、飲む?」

「うん」


通されたリビングのソファに座り、実花が紅茶をいれる姿を見つめる。



そんなもの、どうでもいいのに。


紅茶飲んで、まったり話すために呼ばれたわけじゃないのはわかってる。


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