妹系男子。



鈴は細い指で涙を拭った


スズ「麟太郎、恐いよぉ」
リン「……鈴」

鈴の細い身体を抱き寄せると震えているのがわかった



スズ「麟ちゃん、だからお風呂…」
リン「それは駄目」


立ち上がって玄関と家中の窓の鍵とカーテンを閉めて回った


スズ「麟太郎」
リン「取り敢えず色々閉めといた」
スズ「……」
リン「外で見張ってる」
スズ「有り難う、麟ちゃん」
リン「お風呂入っといで」



風呂場の扉の前に座り込む
テレビは見える距離じゃないから聞こえるのはシャワーの音のみ




『鈴木鈴』――アイドル――

ファンが増えてきたのは嬉しいけど、やっぱり良いことばかりじゃない。有名になればなる程、ファンは熱狂的になってなかなか扱いが大変になる。



リン「鈴ーっ、まだー??」
スズ「はーいっ!!もう出まーす」


鈴が扉を開けたのは40分過ぎてからだった



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