プリンセスの条件
「翔太くーん!」
その名前に自然と身体が反応して振り返った。
お昼休みのカフェテリア。
いつもの男友達3人と現れた翔太に、あたしの後のテーブルに座っていた女の子たちが手を振って微笑む。
「おー、なんか久々じゃん、ユキたち。ちゃんと大学来てんだ?」
「ひどー!どういう意味よ!?」
大きな笑い声が後から聞こえてくる。
だけどあたしの耳に響くのは、甘く低い翔太の声だけ。
翔太の声を“甘い”なんて思う時点で、自分は病気なんじゃないかと思ってしまう。
「ふふッ。案外分かりやすいんだ?マイって」
「え、……何が?」
カツサンドを口へ頬張りながら、視線をチラチラとあたしの後へやって、ミサトはニヤリと笑った。
「思いっきり気にしてんじゃん」
「な、なんのこと?」
「女は素直な方がモテるってことよ」
まだニヤニヤとこっちを見ているミサト。