プリンセスの条件
やばッ!
誰かに見られてたんだ!?
翔太ごめん!!
……と思った時だった。
それがあたしの勘違いだと気づかされたのは。
「しかもさ、その相手って彼女でしょ?宮本那波(ナハ)!どんな男に言い寄られたって、“ごめんなさい”しちゃうっていう難攻不落の女!」
「げッ!マジかよ翔太!?どうやって落としたんだよ!?」
「バーカ、そんなんじゃねーよ」
宮本那波……
彼女を知らない人はうちの大学にはいないってくらい、美人で清楚なお嬢様として名高い。
派手な外見、男好きの“来るもの拒まず女”として名高いあたしとは、完全に正反対の存在だ。
そんな人が、翔太の部屋に?
一晩を一緒に明かしたって……?
2人が翔太のマンションで、あのベッドで抱き合ってる姿を想像してしまう。
ギュッと目を閉じてその光景を頭から消してしまいたかったけれど、
「けど、宮本さんを泊めたのはホントでしょ?」
「……まぁな」
翔太のたった一言で、情景が鮮明に頭に浮んでくる。
「やーだー!やっぱやることヤってんじゃん。エロッ!」
更に盛り上がる会話。
これ以上第三者から何も聞きたくなくて、あたしは勢いよく席を立ちあがった。