プリンセスの条件
「ねぇ!いつ結婚式するの!?」
ガバッと起き上がって、まだ復活していない翔太に尋ねると。
「は……?」
露骨に嫌な顔をされた。
「何!?その顔!!翔太が昨日言ったんじゃん!結婚しようって!!」
「いや、そうだけど。今すぐはどう考えても無理だろ。現実的に」
「どうして!?じゃあ、いつ結婚するの!?」
翔太は深い溜め息をはいて、あたしの身体を引き寄せた。
「オレたちがちゃんと大学を卒業して、オレが就職をして、ちゃんとマイを養ってやれる生活力がついてからだな。でなきゃ、親たちだって許すわけないだろ?」
「ええぇぇぇー!?そんな遠い未来なの!?」
「まぁ、努力するよ。だからマイも、自分のやりたいことちゃんと見つけて、その時が来るのを待ってろよ」
「やだッ!!あたしは今すぐ翔太のお姫様になりたい!!」
「マイ、無理言うなって」
「養ってくれなくていい。あたしだって働くよ!!それにあたし、こう見えて家事だけは得意なんだから、きっと翔太の役に立つよ。邪魔にはならないと思う!!」
そうだよ。あたしだって別に、旦那様に全てを押し付けようなんて考えてないもん。
翔太がいつだって笑ってられるように、お手伝いできることはたくさんある。
支えてあげられることだって、きっといっぱいある。
「マイが邪魔だとか、そういう問題じゃないだろ。オレだって男なんだから、それなりに夢を見たいんだよ。奥さんを養えるくらい立派な人間になりたい。どうせこれからずっと一緒にいるんだから、少しくらい待てるだろ?な?」
翔太の必死の説得にも、あたしは一切聞き耳持たず。