―黒蝶―
俺は七瀬のケータイを借りて、秋葉と書いてある番号を押した。


『七瀬?どうした?!』

慌てた声、そんなにも七瀬を…


「…ども、白烏です」

『…白烏?オイッ!七瀬は?!』

「発作で倒れたんです。今からソッチに運ぶんで…」

『わかった』



電話が切れ、俺は七瀬を持ち上げた。

そのまま連れて行くと、アジトの前で総長が立っていた。



「ごくろう、白烏」

「いえ」


すると、総長は俺の顔を見てはっとした。

「お前…もしかして?」

「はい、辞めてきました」


総長は笑った。俺もつられて笑う。

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