―黒蝶―
そうだよね。

アタシだけ弱気になってちゃだめ。



それに、雷蝶のエース。

“黒蝶”

なんだから...



辺りが漆黒の闇に包まれ始め、雨龍のみんなも寝ようとしていた。

すると、アタシたちを心配するかのように、紅葉さんが来た。


「どう?」


アタシは静かに首を振った。

紅葉さんは少し難しい顔をした。


アタシは少し気になったことを言った。


「何か紅葉さん…隠し事してません?」


ギョッとした表情になったのを、アタシは見逃さなかった。

「なっ…なんで?」

「いつもは何事にも笑って対処するのに、今回は難しい顔ばかり」


紅葉さんは、どんどん顔が青ざめていく。

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