―黒蝶―

秘密―Said秋葉―

静かに眠る七瀬の頬を一筋の涙が流れていく...

「蓮」


彼女は確かにそう呟いた。

寝言で名前を呼ぶなんて強く思ってるんだな…



俺が七瀬と初めて出逢ったのは、確か…7年前?

俺がまだ総長じゃなくて、副総長だった時―




七瀬は一人、眠らない町を彷徨っていた。

一目見たときから、居場所がないんだな…

そう思えた。


「なぁ、そこのねぇちゃん」


すると彼女はビクッと肩を震わせ、怯えた目でコッチを見た。

彼女の右目は眼帯をしていて、体には無数の痣があった。



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