―黒蝶―
コイツ…ケンカしてきたのか?

それとも…


彼女は怯えた表情を隠しきれず、涙目になっていた。

「なぁ…」


肩に手が触れようとした瞬間―


「イヤアッ!!!!!」


手を跳ね飛ばされた。

そして、逃げるように去っていった。


何故だか嫌な予感がして、彼女の後を追いかけた。


「きみっ、ちょっと…」

「イヤダッ!ついて来ないで!」

彼女はそのまま信号を見ずに車道へと飛び出した。


車の無数のライトが彼女を照らし出す―


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