―黒蝶―
部屋を立ち去ろうとすると、彼女の目から何かが零れた―


―涙?


そして、彼女の震える口から

「蓮」


と呼ぶ声が聞こえた。

…俺は何も言えなかった。



そんなにも強く思ってる相手…

俺には何も出来ないかもな。でも、七瀬?


そいつはライバルだ。永遠の。

チームである限り、俺らはこの運命から逃れられない。


「七瀬…俺にしとけよ」

気づかれないように、

彼女の頬にキスを落とし、部屋を後にした...
< 24 / 150 >

この作品をシェア

pagetop