―黒蝶―
―どのくらい寝たのだろう。

バイクのエンジン音が耳障りで目覚めた。


…帰ってきたのかな?


時計を見るとまだ、一時間しかたっていない。

早すぎるでしょ?



エンジン音が止まり、足音が近づいた。

家の扉をノックする音だけが聞こえる。


「ねぇ~あーけて」


能天気な声。


宅急便とかじゃなさそう…

今、一人だし…どうしよっかな?



「ねぇ、いないのぉ?」


「あっ、今開けます」



アタシは運命の扉を開いた―
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