―黒蝶―
黒い髪に黄緑のメッシュ。

笑顔をのぞかせる歯から八重歯が見える。


「あのぉ~どちらさま…?」

「ん~?あぁ、俺?俺なぁ」




彼はアタシの髪を引っ張った。



「きゃ…」


「俺は黒鳥のトップ、浅田 緑だ」



顔を見ると冷たい氷のような瞳―

慣れているはずなのに…なんで?


恐怖にかられて声が出ない。


「……」


「ここ、雷蝶のアジトでしょ?」

「…い…たっ…」


アタシは答えることを拒んだ。

すると、髪を引っ張る力が強くなる。

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