ホタル
「…久しぶり」
先に口を開いたのは、裕太だった。
声を聞いただけで、胸がちぎれそうになる。
一度口を開いて、でも戸惑って閉じ、やっぱり開いて言った。
「お…どろいた。…どうしたの?」
何が言いたいか、正直わかってない。
ただ、裕太が目の前にいるという現実。それだけが全てな気がして。
全てであって欲しくて。
「いや…」
一瞬、裕太の顔が陰った。
コンビニの光がはっきりした顔立ちを際立たせる。
少し、痩せた気がした。
裕太が再び口を開きかけた、その瞬間だった。
「朱音?」
さっきあたしを呼んだ声とは違う声が聞こえた。
思わず振り向いて、あたしを呼んだ人の名を呟く。
「鈴川君…」