ホタル
顔を赤らめて1人ドキドキしていたあたしの肩に、すっと腕が延びてきた。
そのまま後ろからあたしを抱き締める。
「裕太…?」
手のひらで頬を包んだまま、斜め上を見上げる。
あたしの肩に顔を半分埋めた裕太がいた。
いつもと違う裕太に、戸惑いを覚える。
「裕太?どうし…」
「お願い」
裕太の声は、ちょっとだけ震えてて。
「今日だけ、だから」
…あたしは、拒めなかった。
拒めるはずなんてない。
ほんの少しだけ予感を抱いたまま、あたしは裕太の腕に顔を埋めた。
裕太の煙草の香りを、全身に吸い込んで。
「…いいよ」