ホタル



……………

「ねぇ朱音~!!今日こそつきあってくれるでしょ!?」

あたし達の学校はクラス替えがないので、春になって新学期が始まっても新鮮な気分には浸れなかった。
チラチラと舞う桜を目で追いながら、隣でしゃがんであたしの机に顎を乗せている美少女に返事をする。

「行かないってば」
「何でよーっ!!たまにはつきあってよぉ」
「あたし合コン興味ないもん」
「いいじゃん興味なくって!行ったら興味わくかもじゃん!」

無理矢理な意見をさも当たり前の様に豪語しながら、英里は立ち上がってあたしの前で手を合わせた。
視界から桜が途切れ、英里の長い髪が揺れる。

「お願いっ!!今日だけでいいからさ!」
「だから嫌だってば」
「だってさ......寂しいんだよ」

ふいに英里は寂しそうに瞳を揺らした。

「最近朱音とあんまり遊べてないじゃん?まぁあたしが合コンばっかしてるからだけど......。でもあたし、朱音ともっと一緒にいたいんだよ。だって......親友じゃん?」
「英里......」


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