ホタル
「え.....裕太?」
見られているわけでもないのに、あたしは思わず髪の毛を整えた。
『今どこ?』
「え?」
いつもより数段思考回路が渋滞してる。お酒のせいか、この声のせいか。
「えっと......友達とご飯食べてる。」
『やっぱり......だと思った。まさみさんに連絡してないだろ?』
「うん、今気付いた」
『まさみさん心配してたよ。俺言っとくね』
「ごめん、ありがとう」と言いながら、これじゃどっちが姉かわからないなと我ながら情けなくなった。裕太の声が、優しすぎるから。
『英里子さんと?』
「え?あ、うん。あと何人か友達…」
「朱音ちゃん?」