ホタル
「人それぞれだと思う。"形"は何パターンもある。あたしが修平を思う気持ちと朱音が裕太を想う気持ちは違うものかもしれないけど…でもどっちもアイシテルってことには変わりないでしょ?"形"が違うだけ。人間なんて利己的な生き物なのに、自分以外の人を大切に思える気持ちが罪なわけないよ」
「ワタクシロン」と言いながら綺麗な笑顔を見せる英里。きっと英里なりに真剣に真剣に考えてくれた答えだと思う。
裕太と修平君は同い年で、だから尚更あたしの裕太に対する想いは理解し難いものであったはずだ。それを英里は真剣に考えて、英里なりに理解しようとしてくれている。
何よりも、それが嬉しかった。
「…ありがとね、英里」