幸せの条件
 藤本が汗を拭きながらすぐに来た。

泣いて話にならない私に代わって父が話をする。

「直之君がねぇ・・・。」

藤本は、眼鏡を外して目頭を押さえる。

「藤本、どっちを信じるんだ?」

「まあ、まあ。まずは話し合いましょう。」

藤本は、携帯電話をポケットを取り出し、直之を呼び出す。

血相を変えてやってきた直之は、客間に揃っている片瀬家の面子と藤本を交互に見る。

「・・・直之君、そこ座って。」

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