双子とあたし。



「どう、って…どういうこと?」

「もう、やだなぁ!」



あたしの肩をバシバシ叩き、耳もとでささやいた。



「…キス、とか?」



――――き、…キス?!


あたしはその子から離れた。


「し…、してないよっ!」



「あれ?顔赤くなってる!本当にしてないの?」


「してない、してないっ!」


あたしは大きく首を振った。


ふーん、と怪しむような目を避けるように、あたしは目を逸らす。


――――…これじゃ、『したけど、言わないよ』て意味になりそう。


でも、本当にしてないもんな…。



いつしか、話は近くのドーナツ屋の話になっていた。




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