双子とあたし。
きっと、彼女はまたコートを見ればあの表情に戻ってしまうだろう。
なにより、悠太君に見られて欲しくない。
あの顔は、俺だけが知っていればいい…――――。
「悠太君もいいプレーしてるし、この試合は勝てるよ。だから…――――」
「試合観戦を放棄しろ、って?」
俺の言葉を遮って、彼女は言った。
その目は俺をじっと見ている。
だけど、それは非難している目だ。
「あたしは悠斗の試合を全部観たよ?だから、最後まで悠太の試合も観るべきなの。肝心なのは結果じゃない、悠太がどれだけ頑張ったかなの!」
――――…その言葉、俺の試合でも言ってくれた?
俺は言い返せない。
彼女の瞳がまた、あの時と同じようになっているから…。
――――…不安。
それが、俺の気持ちだった。