双子とあたし。
あたしは双子の部屋を見渡すと、見覚えのないものがあった。
「…あれ?誰かギター弾きはじめたの?」
「うん、悠太がね。」
「そうなの、悠太?!」
あたしの輝いた目は、悠太の方に向いた。
「まぁ…、うん。」
悠太は少し恥ずかしながら答えた。
「ねぇ!何か弾いてよ!」
――――おきまりの言葉。
絶対言うと思った、と悠太は言って立ち上がる。
そして、ギターを手にしてそこら辺の椅子に座り、チューニングをし始めた。
「悠太ね、ここんとこ毎日練習してるよ。」
悠斗がささやくように教えてくれた。
「そうなんだ…。」
ギターに魅せられた悠太についつい目が奪われてしまう。
どんな曲を弾いてくれるのだろう。
期待に胸を膨らませて待っていた。
「どうせだったら、歌わない?」
急きょ、悠斗の要望に迫られた。
しかし、それに動じることもなく悠太は
「…わかった。」
とすんなり了承してしまった。