双子とあたし。
チューニングが終わり、悠太はこちらに向き直った。
「では、いきますよ。」
ギターを弾きはじめる…。
美しい前奏…――――
…って、あれ?
どっかで聴いたことのあるような…。
「咲いた〜咲いた〜チューリップの〜は〜な〜が〜…」
「―――チューリップかよっ!」
思わずつっこんでしまった。
「…もっと真面目に歌いなよ!」
あたしは半分呆れ顔で言った。
「お楽しみは、文化祭で。」
「え、悠太文化祭でバンドやるの?」
「まぁね。」
悠太が微笑んだ。
「『H2O』っていうバンド名でね。」
悠斗が言った。
「えいちつーおー…?、…水?」
二人は優しく微笑んで
「「正解」」
と答えた。