双子とあたし。
「…微妙じゃん、俺らの空気。」
「あー…、ごめん。」
あたしそんなに不適につっこんだ?
疑問を抱きながら首をかしげたあたしを置いて、会話を進み、結局悠太のバンドの話はお開きになっていた。
――――…なんだかんだで
「…もうこんな時間かぁ。」
気付くと時計の針は8時を指していた。
「薫、帰る?」
悠斗が尋ねた。
「うん、そうしようかな。」
「じゃ、送る。」
そう言って悠斗は立とうとした。
「え、いいよ!すぐだし…、っていうか隣だし。」
「だめ…」
あたしの言葉も聞かずに悠斗は部屋を出てしまった。
あたしは悠太にそっと視線を合わせた。
「…悠斗がああ言ってるわけだし。何なら送ってもらえば?」
その言葉だと、悠太はついてこないんだね。
「―――…うーん。じゃ、そうしようかな?またね。」
「ばいばい。」
悠太が手を振るのを見て、部屋を後にした。