双子とあたし。
励ましているのか、あたしの置かれた状況を楽しんでいるのか、二人の声は何だか弾んでいた。
「…だからさぁ、二人の協力が必要なんだよー。」
もはや、彼らに頼むしかなかった。
悠太も悠斗も意地悪そうな笑みでこちらを向く。
「じゃぁさ、薫ん家の冷蔵庫にあるチーズケーキ二つ、俺らがもらうね。」
悠斗はチーズケーキの数を指で示した。
―――…あたしの大好物がっ!
つか、いつ見たんだし…。
そんな疑問を抱かせながら、二人に交渉に出た。
「…そこをなんとかなりませんか。」
あのチーズケーキは、金欠のあたしが断腸の思いで買ったもの。
潔く、彼らに渡せるはずがない。
「知ってるよ、薫が大好きなことくらい…。」
悠太は腕組みをしながら言う。
続いて悠斗も言った。
「だけど、達成には大きな犠牲が必要だって、薫もわかってるでしょ?」
「うっ…、でも…―――。」