双子とあたし。




教室に戻るとけいがニコニコとあたしを見ていた。





―――…けい、知ってたな?





あたしは席に着いて、けいの方を向く。





けいは手を頬についてニンマリと笑う。





「どうだった?柳田君と一緒のランチ。」





「…けいが計画したの?」




あたしは柳田君に聞こえないようにぼそぼそと喋る。





「?…違うよ、さきの彼氏。」






「え、じゃあ何でけいが知ってるの?」






「聞いたから。さきってばすごくうきうきだったよ。二人はお似合いだ、て。」





「あ、あははは…。」





お似合いという言葉に何も言えなくなってしまう。







「で、どうだった?うまく話せた?」





同時に本鈴のチャイムが鳴る。





次は、数学…―――。






あまり生徒を指導しない先生だし…、いっか?





一応教科書とノートを出そうと前を向いた。







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