【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「…一回ホテルに帰って、おしゃれしようか?」
『え…?』
言われて気付く私の格好。
…ラフ。
一言で言えばラフ。
黒いカットソーに短パンの私。
比べて翔は、黒いズボンにアクアブルーの薄手のシャツ。
緩く結ばれた、ネクタイは…何か色っぽい。
靴なんて、革靴。
…暑くないのだろうか?
「ほら、一応相模さんにも言ってから行くぞ」
ボケっと完璧な翔を眺めていた私にクスッと笑って、手を引いた翔。
『…行くってどこに?』
「デート」
それ以上は言わなかったけど、その手に引かれながら、私は再びホテルへと戻った。