【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


「あ〜翔じゃーんっ!!もう着いたんだぁ?」



ホテルに着いてガミさんの部屋に来た私達に、亜美奈が言う。



その口振りからして、亜美奈も翔がハワイに来る事は、知っていたのだとわかった。



シャンパンを飲んでいたのか、テーブルにはグラスが2つ。
…後はガイドブックが乱雑に置かれていた。



短時間でこんなに散らかすガミさんは、最早神業だと思われる。



「相模さんは?」


「千夏ちゃん?エステの予約しに行ったけど、もう戻って来ると思うよぉ〜」



ガチャ



「亜美奈!予約とれたわ!…あ…」



ドアを閉め終わってもいないのに大声で叫ぶ彼女はいい迷惑者だと思う。



白けた目でガミさんを見ていたら、彼女はキラキラと瞳を輝かせ出した。



……イケメンに心撃たれたに違いない。



「翔!もう来たんだね!!」



そのセリフは亜美奈と同じものだった。



…その前に、私に謝罪して欲しいと思う。


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