【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『…ガミさん』
「仁菜…ごめんね?私、イケメンにはやっぱり抗えないっ!!!」
自信満々に何言い出すんだ。彼女は。
私に縋り着きながら、謝るガミさんには呆れて物も言えない。
チッ
代わりに舌打ちが口から飛び出す。
「仁菜?」
それには翔も少し驚いた顔をしていたけど。
別に翔のサプライズが嬉しくないわけじゃないけど…
ガミさんのハワイ行きを教えないのはどうかと思う。
だって物凄く不安になった。
たった2日なのに、翔に会いたくて、不安になった。
「まぁまぁ、千夏ちゃんの事は仁菜が一番知ってるでしょぉー?許してあげなよぉ」
亜美奈はテーブルに置いてあったシャンパンをぐいっと飲み干して、私に首をかしげた。
『…次したら、涼に言うからね』
「…ゴメンナサイ」
もう溜め息しか出なかった。