【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


『…ガミさん』


「仁菜…ごめんね?私、イケメンにはやっぱり抗えないっ!!!」



自信満々に何言い出すんだ。彼女は。



私に縋り着きながら、謝るガミさんには呆れて物も言えない。


チッ



代わりに舌打ちが口から飛び出す。



「仁菜?」



それには翔も少し驚いた顔をしていたけど。



別に翔のサプライズが嬉しくないわけじゃないけど…



ガミさんのハワイ行きを教えないのはどうかと思う。



だって物凄く不安になった。
たった2日なのに、翔に会いたくて、不安になった。



「まぁまぁ、千夏ちゃんの事は仁菜が一番知ってるでしょぉー?許してあげなよぉ」



亜美奈はテーブルに置いてあったシャンパンをぐいっと飲み干して、私に首をかしげた。



『…次したら、涼に言うからね』


「…ゴメンナサイ」



もう溜め息しか出なかった。


< 161 / 410 >

この作品をシェア

pagetop